英語×コミュニケーション
新高校生となった麻生陽が割り振られたクラスにはアメリカ人の女子がいた。他の生徒とは見た目の異なる彼女に、クラスのみんなは興味津々で話しかけるもどうやら上手くいかないようだ。これまで積極的に他の人と友好関係を築こうとも築きたいとも思ってこなかった麻生だが、困った彼女を見かねて、ある行動をとることに決める。そこから、彼の高校生活は予想とはまったく違う方向へと進んでいくことに。言語の違いとは。コミュニケーションの難しさとは何なのか。
※本作では、翻訳付きで英語の会話を多用しています。
ストーリー
- 第16話:Her Decision.(彼女の決断)- part3
- 非常にどうでもいい話だが、俺は部室で小説を読むのが好きだ。それは単にその場所が好きというよりも、部室で読む方が家で読むよりもだらけることが少ないから読書量が増えて、結果として「たくさん読んだ」という充......【続く】
- 第17話:Her Decision.(彼女の決断)- part4
- 陽菜の目はまっすぐ俺たちを見ている。彼女が伝えたいこと、それが何なのかはだいたい予想できた。これからどうするかについて、ついに決断を下したのだ。「私ね」その声でドキッと胸に電気が走る。自分でもびっくり......【続く】
- 第18話:One Day In Winter.(冬のある日)
- 「今日も授業があるなんて信じられん!」「We would be on vacation in the US.(アメリカじゃとっくに休みに入ってるわ)」陽菜とシャーロットは俺の机の前まで来るとすぐに愚痴を漏らした。帰る支度に手間取っていた......【続く】
- 第19話:Having A Crush On Her.(彼女が好き)
- 冬休みが明けて数週間が経ち、今度はもうすぐやってくる春休みに向けて心が軽やかになっていたころ、俺はいきなり三明に呼び出されて、廊下の端にある人通りの少ない階段の、そのさらに隅っこに立っていた。「今から......【続く】
- 第20話:Time To Debate!(ディベート!)
- 「I wonder what she is like.(どんな人なんだろう)」「Daniel said only the president is coming, but nothing else.(ダニエル先生は部長が1人で来るとしか教えてくれなかったもんな)」俺とシャーロットは校門の前で来訪......【続く】
- 第21話:Second Year Has Started.(2年生が始まった)
- 春休みが明けて高校2年生になった。学年が上がったからといって大きな心境の変化はない。高校に入学した時と同じだ。ただ、クラス分けでみんなと離れるかも知れないことを考えると、改めてこの1年間を振り返させら......【続く】
- 第22話:The ESS Club Plays Music.(ESS部は演奏する)- part1
- 新入生が見学すら来ていない。まったく気にしていなかったが部の存続という観点からは確かにこれはまずい。このまま誰も入部せず、さらに翌年も同じことが起こったら、ESS部は俺たちの卒業とともにまた消滅すること......【続く】
- 第23話:The ESS Club Plays Music.(ESS部は演奏する)- part2
- 帰り道に陽菜の恋を知らされてから2週間が経った。もう部室で顔を合わせることはなくなっていたけど、週に一度の集まりで様子を見る限り、陽菜はそれまでと変わりなく八尋に接している。彼女のそういう器用なところ......【続く】
- 第24話:Do You Still Remember Me?(まだ、私のこと覚えてる?)- part1
- 風呂から上がって宿題をしていると、知らない番号から電話がかかってきた。無視しようかとも思ったけど、もしかしたら俺が知らないだけで友達の誰かがかけてきたのかもしれない。結局、着信に応じることにした。「…......【続く】
- 第25話:Do You Still Remember Me?(まだ、私のこと覚えてる?)- part2
- 2人で家を出て、最寄り駅まで歩く。構内のベンチに座って次の電車が来るのを待った。ルナはこれから博多のホテルに向かうらしい。結局俺の部屋でも長いこと話して、そのまま家で一緒に晩ご飯を食べた。せっかく福岡......【続く】
- 第26話:I Want To Tell You.(伝えたいことがある)
- 田んぼ、山、一軒家、黒。電車の車窓から外の景色を確認すると大体この4つのうちのどれかが見える。黒いのはトンネルの中に入っているからだ。「で、陽への罰ゲームは何にする?」陽菜がトランプを切りながら楽しそ......【続く】
- 第27話:Haru and Charlotte.(陽とシャーロット)
- 正課が終わり、放課後になった。今日もESS部のドアを開ける。「Did something good happen?(何かいいことでもあった?)」中にいたシャーロットが出会いがしらに尋ねてきた。「What do you mean?(どういうこ......【続く】
- 第28話:When It Ends.(終わり)
- あと2日でシャーロットがアメリカに帰る。学校に来るのは今日で最後だ。誰もが彼女の転出を知っていて、この日の帰りのホームルームでは彼女のためにクラスで小さなお別れ会が行われたらしい。「It was so nice of them......【続く】
- 最終話:One Day In Spring.(春のある日)
- 桜が舞う。もうすぐ4月がやってくる。道を曲がって校内に入る。まっすぐ歩いて、白い講義棟の前に設置されているベンチに腰を下ろした。休みの日だから他の生徒はあまりいない。たまに図書館の方に向かって目の前を......【続く】