
英語×コミュニケーション
日本語をそのまま英語に変えて話しても相手に伝わらないことがあります。それは言語の違いやコミュニケーションの難しさによるものかもしれません。進学先の高校で、主人公はあることからクラスにいたアメリカ人の女子と仲良くなっていきます。それと一緒に英語という言語のことや海外の人との接し方についても考えるようになるのです。海外の人と接する機会が増えた現代で、身近に起こるかも知れないちょっと変わった物語。
あらすじ
新高校生となった麻生陽が割り振られたクラスにはアメリカ人の女子がいた。他の生徒とは見た目の異なる彼女に、クラスのみんなは興味津々で話しかけるもどうやら上手くいかないようだ。これまで積極的に他の人と友好関係を築こうとも築きたいとも思ってこなかった麻生だが、困った彼女を見かねて、ある行動をとることに決める。そこから、彼の高校生活は予想とはまったく違う方向へと進んでいくことに。言語の違いとは。コミュニケーションの難しさとは何なのか。
※本作では、翻訳付きで英語の会話を多用しています。
ストーリー
- 第1話:Do You Speak English?(英語、話せるの?)
- 「――Do you still remember me?(まだ、私のこと覚えてる?)」パチリと目が覚める。奇妙な夢を見た。目を横にやると、時計はセットしたアラームが鳴るちょうど10分前を指している。しばらくぼんやりしていたけど、......【続く】
- 第2話:She Has Come.(彼女が来た)
- 翌朝、重たいまぶたをこすりながら、いつものように遅刻ギリギリに登校する。教室のドアを開けて、「おはよ」の声をかけてくれる数人の生徒に挨拶をして、自分の席に座った。ちらりと、2列挟んで向こうの席に座って......【続く】
- 第3話:For Whose Sake?(誰のために?)
- ――ウィィィン、ウィィィン スマホのバイブレーション音で目が覚める。俺は小さな音でも目が覚めてしまうタイプだ。……せっかくの休日なのに。そう心の中でぼやきながら、手探りでスマホを掴み、まだ少しぼやける......【続く】
- 第4話:Club Activities.(部活動)
- ――明後日の昼休みにシャーロット達とバスケをすることになったんやけど、やっぱりあと1人足りないんよ。やけんお願い! 一緒に参加して!! このメッセージが届いたのは2日前だった。「明後日」という日にちは......【続く】
- 第5話:English Speaking Society.(英語研究会)
- 「シャーロットさんってどのくらいバスケやっとったん!?」「彼女」の机に集まっている生徒の中から、1人が質問する。「...How long have you practiced basketball.」その質問を俺が英語に訳し、彼女が答える。「About 8 ......【続く】
- 第6話:The Letters.(手紙)- part1
- 昼休み、俺と「彼女」は国語係の用事で職員室を訪れるついでに、ダニエル先生に昨日話し合って決めた内容を伝えることにした。「English club for Students in need of Support.(手助けが欲しい生徒のための英語部)」俺たち......【続く】
- 第7話:The Letters.(手紙)- part2
- その日の夜、俺と陽菜と「彼女」の3人で作ったグループチャットに陽菜がメッセージを送ってくれた。2ねんまえのきょうしつのことわかったよー! いまの1ねん10くみは、まえは2ねん9くみだったんだって!!し......【続く】
- 第8話:Voice Actor.(声優)- part1
- 外から聞こえてくる生徒たちのかけ声、ひと昔前に上映された洋画のポスター、窓際に置かれたよくわからない置物たち。最初はちょっとだけわくわくもしたけど、今ではこの部室の光景にもすっかり慣れてしまった。ポス......【続く】
- 第9話:Voice Actor.(声優)- part2
- 声研の期間限定メンバーになってから早くも1ヶ月が経った。この1ヶ月の間は全ての時間を練習に費やしていたから、ちゃんとしたレコーディングは手付かずのままだ。純漫研の方も、ネームこそほとんど出来上がってい......【続く】
- 第10話:Voice Actor.(声優)- part3
- 「……それで、ストーリーの書き直しをお願いしたいと」田口先輩が苦笑する。「もちろん時間的に厳しいのはわかってます。だけど、シャーロットさんの話を聞いたら、私たちもそっちの方が良いなってなって、とにかく......【続く】
- 第11話:Her Decision.(彼女の決断)- part1
- 「Everything is back to normal.(全部、元に戻ったね)」シャーロットが学校の廊下を歩きながらしみじみと言う。文化祭が終わって休み明け初日の放課後、俺と彼女は以前のように2人でESS部の部室に向かっていた。「N......【続く】
- 第12話:Her Decision.(彼女の決断)- part2
- 「調理器具はここに入ってますー」「What is "Chorikigu"?(「ちょうりきぐ」って何?)」「Kichen utensils.(キッチンユーテンシルのこと)」「Ah, thanks!(あぁ、ありがと!)」まだ昼と変わらないくらい太陽が照っ......【続く】
- 第13話:One Day In Summer.(夏のある日)
- 陽菜がESS部に入ってからさらに数日が経ったある日。「……どっちだ?」「さあ、どっちやろーね」昼下がりの部室。テーブル越しに座る陽菜の手には2枚のカード。そのとなりではシャーロットがニヤニヤしながら事の......【続く】
- 第14話:Speech Contest.(スピーチコンテスト)- part1
- 頭を空にしてぼんやりとしていた。教室のほぼ中央に位置する俺の席にも窓の外からの心地よい風が届いてくる。9月も後半に入って、暑いと感じる日はあまりなくなった。視線を落として机の上にだらりと置いている自分......【続く】
- 第15話:Speech Contest.(スピーチコンテスト)- part2
- ――They are just some examples of what happened to me in the past 6 months. Again, I experienced so many changes.(――これらはこの6ヶ月の間に起こった出来事のうち、ほんのいくつかに過ぎません。私は本当に多くの変化を経験しました)When I looked back......【続く】