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第7話:The Letters.(part 2)

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第7話:The Letters.(part 2)

その日の夜、俺と陽菜と「彼女」の3人で作ったグループチャットに陽菜がメッセージを送ってくれた。

――2ねんまえのきょうしつのことわかったよー!

――いまの1ねん10くみは、まえは2ねん9くみだったんだって!!

――しらべるのめっちゃたいへんやったぁ

俺は陽菜にお礼を返すと、すぐに自分の部屋に戻ってカバンの中から手紙を取りだした。あの時はてっきり1年10組だとばかり思っていたけど、実際は学年から違っていたんだ。

もう一度すべての手紙に目を通す。話を整理すると、手紙の筆者は今から11年前にこの学校に転校してきた。入ったクラスは2年9組。そこで同じクラスの日本人生徒に誘われてESS部に入り、やがて進級すると今度は3年9組になった。つまり、次の手紙はきっと3年9組に隠されてる。

翌日の放課後、俺と「彼女」はしばらく教室に残ることにした。3年9組が空になるのを待つためだ。

「私も一緒に行きたかったなぁ」

陽菜は朝からずっと口惜くやしそうにしている。

「部活なんやけん仕方ないやろ」

「何とかならんかなぁ。トイレ行くふりしてこっそり抜け出すとか」

「バレても知らんぞ」

「はぁ、1人怖い先輩いるんだよなぁ。しかもその人3年9組やし」

「まじか。なら俺も見つかったらやばいやん」

結局、何だかんだ文句を言いながらも陽菜は大人しく部活に向かっていった。

それから1時間ほど待って、俺たちはようやく3年9組を訪ねることにした。3年の先輩たちはすでにみんな出ていったみたいで、教室の中はとても殺風景に見えた。だけど今は、その景色がむしろ俺の胸をおどらせるんだからちょっと奇妙だ。

「Great, there's no one here! My heart is so pounding that I can't wait anymore!(やった、誰もいない! 私、心臓がどきどきしちゃって、もう待てないよ!)」

「Same here. Time to find the letter.(俺もだよ。とっとと手紙を見つけよう)」

その手紙を見つけるのはとても簡単だった。2通目と同様、教卓の裏に隠されていたからだ。

4/5

I was so happy when I knew that you and I were in the same class again. However, we had to take different curriculums to prepare for the university entrance exam, so we were separated during class. I often went to see you in a break between classes.(またあなたと同じクラスだと知った時、私はとても嬉しかった。だけど、大学受験に向けて、私たちは別々のカリキュラムを受けないといけなかったから、授業中はずっと離れ離れだった。私はよく、休み時間になるとあなたに会いに行った)

We talked a lot. One day, you said your study wasn't going well. You said you wanted me to teach you.(私たちはたくさんのことを話した。ある日、あなたは勉強が上手くいっていないと言った。そして、私に勉強を教えてくれないかと頼んだ)

You helped me when I needed it most. At that moment, I secretly made a promise to myself that I would also help you no matter what when you were in trouble. Fortunately, I was good at study. I tried to be with you as long as possible and taught you everything I can.(あなたは、私が一番苦しかった時に私を助けてくれた。その瞬間から、私はひっそりと、もしもあなたが困っているのを見たら今度は絶対に私が助けるんだと心に決めていた。私はできる限りあなたと一緒にいて、教えられるすべてのことを教えた)

It was the day before the exam. I went to see you just like always.(あれは大学入試の前日だった。私はいつものようにあなたに会いに行った)

「They took different curriculums?(2人は別々のカリキュラムを取ったの?)」

「彼女」が首を傾げている。

「Usually that doesn't happen. But, considering that the writer isn't Japanese, it's natural the person had to take a different carriculum from other students.(普通はそんなこと起こんないけど、手紙の書き手が日本人じゃないってことを考えたら、その人が他の生徒とは違うカリキュラムを受けないといけなかったとしても自然なことじゃないかな)」

「So, you think the person was separated from all other students during class?(それじゃあ、その人は授業中ずっと他の生徒と離れ離れだったの?)」

「Probably.(たぶんな)」

「I wonder if I will have to take a different curriculum and be separated from other students during the entrance exam season as well. I don't like it.(私も受験シーズンになったら、違うカリキュラムを受けてみんなと離れちゃうのかな。それは、嫌だなあ)」

彼女は他のみんなと同じように扱われたいし、自分も同じようにみんなと接したいと思っているみたいだ。だけど、現実にはどうしようもないことがある。それは、男子と女子との間に扱いの差が生まれるのと同じで、たまに理不尽なこともあるけど、ほとんどはちゃんとした理由の下にできているものだから受け入れるしかない。ただ、男女の差と違って、彼女のグループには彼女1人しかいないんだ。そのせいで寂しい思いをしているのかもしれない。

「I will sometimes go see you even if that happens.(もしそうなっても、たまには会いに行くから)」

俺がそう言うと、彼女はこっちを見て嬉しそうに笑う。

「Not sometimes. You will always come see me.(たまに、じゃだめよ。いつも来てちょうだい)」

まるでお互いにじゃれているようなこのやり取りが少しむずがゆく感じて、俺は目を伏せるとただこくりと頷いた。

「Oh, now come to think of it. I've noticed you sometimes skip class. Were you taking different classes in another place?(あ、そう言えば、シャーロットもたまに授業でない時あるけど、他の場所で別の授業受けてたの?)」

「Yeah, I was. I still have a problem with Japanese, so they teach it instead of other subjects. What else would I do?(うん、そうよ。私はまだ日本語が上手じゃないから、他の授業の代わりに日本語を教えてもらってるの。知ってると思ってたけど)」

「I thought you were just slacking off.(てっきりただサボってるのかと思ってた)」

「There's no way I would do that!(そんなわけないでしょ!)」

とにかく、次の手紙は試験前日に「あなた」が授業を受けていた教室に隠されているはずだ。それは3年9組か、社会科準備室のように特定の科目で使われる教室か、あとは補習で使用される教室も可能性としては考えられる。これまでと比べると、ずいぶん候補が多い。

その後、1時間ほどかけて(時にはわざわざ職員室まで行って鍵を借りなければいけなかった)思いつく限りの教室を探し回った。

「I'm exhausted...(疲れた……)」

6つ目に探した教室にも手紙がないとわかった時、俺はそばにあった椅子にどっかりと座ってついに音を上げた。

「Do you want to go for the next?(次に行ってみる?)」

「Let's take a break before that.(その前に少し休もう)」

俺がそう言うと、教室の隅を探していた彼女もこちらへやって来て、隣の椅子に静かに座った。

「Hey, don't you think it's a little bit strange?(ねぇ。何だか変だと思わない?)」

彼女は眉をひそめて言う。

「What do you mean?(何が?)」

「It's too many. The other three letters specifically told us where the next letter was, and then when we got to the fourth one, it's suddenly obscure.(多すぎるわ。他の3つの手紙にはちゃんと次の手紙がどこにあるのか書かれていたのに、4つ目になったとたん、急にぼんやりしてる)」

「I don't think you can say that. The first letter wasn't really specific, so we had to look into several classrooms.(そうとも言えないよ。最初の手紙だって曖昧だったから、いくつか教室を見て回っただろ)」

「Yeah, but...(そうだけど……)」

どうやら納得してないみたいだ。

「You have any ideas?(何か考えがあるのか?)」

「I've been wondering how you told the writer was the student from another country.(実は、陽がどうやって手紙を書いた人が他の国から来た生徒だってわかったのか気になってて)」

「How did I tell...(どうやって、って……)」

そりゃあ手紙の文章は全部英語だし、他の国からの生徒って書かれていたし、それに、私は他の生徒とは見た目が違うとも……。

「Wait, then you think the "you" in the letters was!?(そ、それじゃあ、シャーロットは手紙の「あなた」の方がそうだって言うのか!?)」

「I think it's possible!(あり得ると思うわ!)」

これは他の国から日本にやってきた生徒を同じクラスの日本人生徒が助ける話じゃなくて、新たに転校してきた日本人生徒がそこにいた他の国からの生徒に助けられる話なのか? 確かに、それでも筋が通らないわけじゃない。

もしも「彼女」の言うことが正しいなら、次の手紙の場所もきっと彼女が知っている。……そして、俺は間違った思い込みをしていたことになる。

「Then, where do you think the last letter is.(それなら、最後の手紙はどこにあると思う?)」

「When I take Japanese class, it's always in a small room next to the teachers room. I think it's probably there.(私が日本語の授業を受ける時は、いつも職員室の隣にある小さな部屋でやるの。だから、たぶんそこにあると思う)」

俺たちはすぐに教室を出て、職員室へと向かった。借りていた鍵を返して、入れ替わりに隣の部屋の鍵を借りる。あれこれと色んな部屋や教室の鍵を借りるのも、ダニエル先生に頼めば簡単に了承してもらえた。

ついに、例の部屋に入る。中は本当に小さくて椅子とテーブルくらいしか置かれてないから、手紙を探すのは難しくなさそうだ。

俺はこれから自分の起こってほしくない、認めたくない何かが待ち受けているように感じていた。嫌悪と緊張の入り混じった不快な気持ちだった。

ここに本当に手紙があるのだろうか。あったらどうしよう。俺は、どうして手紙の筆者が他の国の生徒だって思ったのか。もしもここに手紙が隠されていたら、俺はその疑問に直面せざるを得ないような気がしている……。

彼女はすぐにかがんでテーブルの裏をのぞき見た。それはあっという間だった。

「I found it!(あった!)」

したり顔で笑顔を見せながら封筒をこちらに向けてひらひらとさせる。

「I'm gonna open it!(じゃ、開けるね!)」

「Wait.(待って)」

そう言って、封筒を開けようとする彼女を止める。教室で初めてみんなの前で通訳した時に似た、義務感のような、何かに責め立てられているような気持ちがした。

「Is something wrong?(どうしたの?)」

「Before we open the envelope, there's something I need to tell you.(封筒を開ける前に、言わなきゃいけないことがある)」

彼女は何のことかさっぱりわからない様子で、ただきょとんとしてこちらを見ている。

「You asked me earlier how I knew the writer was the one from another country. It's just... when the second letter read "My appearance wasn't the same as others" and "student from another country", I kinda jumped into the conclusion.(さっきどうやって手紙の書き手が他の国の人だってわかったのかきいたよな。それはただ……、2つ目の手紙が”私は他の人とは見た目が違う”とか”他の国の生徒”とかって言ってたから、その、ついそう思い込んだんだ)」

たぶん、俺の中ではまだ他の国の人たちに対して、「彼らは日本人とは違う」という意識があるんだろう。もちろん手紙が英語で書かれていたからってのもあるけど、少なくともそういう先入観があったから、見た目が違うのはつまり、その人が日本人じゃないからだって考えに簡単に行き着いてしまったんだと思う。

それはきっと、ある程度は仕方ないことだ。だけど、俺はここしばらくの間で、そういうのをできるだけなくしたいと思うようになっていた。それができないと、また、気付かないうちに彼女を傷つけてしまうかもしれない。

「I know I shouldn't be biased and I've been trying not to. But, I'm sorry. Did I make you feel offended...?(偏見を持つべきじゃないのはわかってるし、持たないようにしてたつもりだったんだけど、ごめん。嫌な気持ちにさせたかな……)」

「…………」

彼女は何も言わずこっちに向かって1歩近づくと、勢いよく俺に抱きついてきた。そして、嬉しそうに飛び跳ねる。

「I'm so glad!(嬉しい!)」

「What!? What are you...(な、えっ!? 何を……)」

これはいわゆるハグなのか。彼女はすぐに俺から離れると、一気にしゃべり始める。

「You are saying all of this because you are worried about me, aren't you!? I understand that there are differences between us. But, you are trying to keep them from bothering me so that I won't feel sad. That makes me happy!(陽は私のことを心配してそう言ってくれてるんでしょ? 私たちの間に違いがあるのはしょうがないことだけど、陽はそのせいで私が寂しい思いをしないように頑張ってくれてる。それが、とっても嬉しいの!)」

胸がじんわりと温かくなる。その言葉が俺の心の中にあった雲をスッと晴らしてくれた。

彼女の喜んでいる姿を見て、改めて思う。俺は陽だ。そして、彼女はシャーロットだ。日本人とかアメリカ人とかよりも先に、それなんだ。

「Thank you, Charlotte.(ありがとう、シャーロット)」

「I'm the one who should thank you here, Haru.(こちらこそありがとね、陽)」

そして、手に持っていた封筒を目の高さまで持ち上げるとニヤリと笑って続けた。

「Alright then, let's open the envelope!(それじゃ、封筒を開けましょ!)」

シャーロットはとても楽しそうだった。

5/5

We talked a bit longer than usual. It was about what we wanted to do in the future.(私たちはいつもより少し長く話した。将来何をしたいかについてお互いに教え合った)

You said you wanted to be an English teacher. I knew you liked teaching, and when you taught me English, that was really easy to understand. I thought that job would fit you.(あなたは英語の先生になりたいと言った。私は、あなたが人に何かを教えるのが好きだって知っていたし、私に英語を教えてくれたときもとてもわかりやすかったから、英語の先生はぴったりの仕事だと思った)

You asked me what I wanted to be in the future. I didn't have any idea. But, when I helped you with study, I had so much fun. I said I might like teaching as well. You smiled gently and suggested we take the same university's entrance exam. That was the moment my life was determined.(あなたは私は何になりたいのかときいてきた。何も思い浮かばなかった。だけど、あなたに勉強を教えるのはとても楽しかったから、もしかしたら私も教えるのが好きなのかもしれないと答えた。あなたは優しく笑って、それなら同じ大学を受けないかと提案してくれた。それが、私の人生を決めた瞬間だった)

When I graduated from high school, I was sure I would never forget the time I spent here for the rest of my life. I have been right about that now, and I will be.(高校を卒業するとき、私はここで過ごした時間を一生忘れないと確かに思った。それは今のところ当たっている。そして、きっとこれからも)

翌日、俺たちはダニエル先生に呼ばれて放課後に職員室へ向かった。

「Congratulations! Your request has been approved and now the ESS club is on the move!(おめでとう! 君たちの提案は承認されたから、これでESS部は復活だ!)」

ダニエル先生の言葉にシャーロットも顔をほころばせる。

「That's great! Thank you so much!(やった! ありがとうございます!)」

「There are some regulations you need to know. I'll give you a list later. But, anyway, you can use the clubroom as you want now.(いくつか知っておかないといけないルールがあるから、あとでリストを渡すよ。だけど、これであの部室は好きに使えるようになったよ)」

俺は改めて先生にお礼を言ってから、例の話題を持ち出す。

「There is something we want to ask you.(実は、先生にききたいことがあります)」

先生はニヤリと笑った。

「About the letters, isn't it?(手紙、のことかい?)」

シャーロットが両手を前で結び、興奮気味に言う。

「Yes! We want to know what happened after they graduated!(そうです! 2人が卒業したあとどうなったか知りたいんです!)」

続いて俺も口を開く。

「You are the one that is the you in those letters, aren't you?(先生が手紙に出てくる「あなた」なんですよね?)」

最後の手紙を見つけたあと、俺たちは帰る前にもう一度図書室へ立ち寄った。今度は前回より1年前のアルバムを引っ張り出して中を確認した。そこには「ダニエル エドワーズ」の名前と共に先生によく似た青年の写真が載っていた。

「You are right. I hope you had fun with it.(その通りだよ。楽しんでもらえたら良かったけど)」

「It was full of fun.(とても楽しかったです)」

「Glad to hear that. I guess you have already figured out who the I might be.(なら良かったよ。もう「私」が誰なのかもわかってるのかい?)」

「Yeah, we checked the graduation album of the year you graduated. Her name is Mio Katsuki.(はい、先生が卒業した年の卒業アルバムを見ました。その人の名前は香月澪かつきみお)」

ダニエル先生と同じクラスにいて、周りとは見た目が違う生徒。一人だけ際立って髪の毛が茶色い女子生徒がいたから、きっと彼女なんだろうと思った。

「Haha, you were surprised at her hair color, weren't you? Believe it or not, it's natural.(はは、彼女の髪の色には驚いただろ? でも、あれ本当に地毛なんだよ)」

「You realized your dream to be an English teacher. How about her? What is she doing?(先生は英語の先生になるっていう夢を叶えました。それで、香月さんは何をしているんですか?)」

「She became an English teacher too. The truth is she was working here until last year. She was the adviser of the ESS club. That's one of the reasons I wanted to make the club active again.(彼女も英語の先生になったよ。実を言うと、去年までこの学校で働いていたんだ。しかもESS部の顧問だった。それが、僕がESS部を復活させたかった理由の1つでもあるんだけどね)」

この高校のESS部の元顧問。香月さんの方も想像以上に身近な人だったから内心驚いた。いつか、過去のESS部がどんなだったのかきいてみたい。

「That's good to know.(そうだったんですね。良かった)」

シャーロットはそれまでじっと黙っていたが、ついにもう待ちきれないという様子で話に割り込んできた。

「So, did something happen to you two after you graduated!? Do you still keep in touch with her?(それで、先生たちはどうなったんですか!? まだ香月さんとは連絡を取ってるんですか?)」

ダニエル先生は急に眉をひそめる。

「You don't even know my name!?(君たちは僕の名前を知らないのかい?)」

俺とシャーロットはお互いに顔を見合わせた。

「What do you mean?(どういう意味ですか?)」

先生は腕を組んで「はぁ」と大きなため息をつくと、少しもったいぶって答えた。

「My name is now Daniel Katsuki.(僕の今の名前は香月ダニエルだよ)」

第7話:ストーリーで使われた英語表現

※ストーリー中に使用された英語表現の解説をしていきます(ここでの解説はあくまでもご参考程度にお読みください)。本作品のストーリーとは無関係なので、興味がないという方や解説不要という方は飛ばしていただいて構いません!

まずは、学校で習わない表現を扱おうと思います。「I thought you were just slacking off.(てっきりただサボってるのかと思ってた)」です。2ページ目でシャーロットが別室で授業を受けていると知った時に陽が言ったセリフです。

「slack」は元々「おこたる、緩める」という意味の動詞です(ちなみに「ゆるい、いい加減な、のろい」という意味で形容詞としても使えるそうです。今知った……)。「off」は副詞として使われていて「slack off」で「なまける、サボる」といった意味になります。

ここで、「off」は何のためにあるのかときかれると正直よくわかりません(笑) 「He's slacking」でも「He's slacking off」でもどちらも同じ意味ですし、どちらを使っても良いと思います。

「off」自体には「分離して、休んで」といったニュアンスがあります(例えば「have a day off(仕事・学校などを休む)」など)。「off」がないからと言って意味が伝わらないということはないですし、逆にあるからと言って冗長ということもありません。好きな方を使ってください(笑)

ちなみにサボり癖のある人のことを「slacker」と呼んだりします(「player(選手)」のように動詞+「er」でその動詞をする人という意味になります)。

例)「He's skipping class again!? What a slacker!?(あいつまた授業休んでるのか!? あの怠け者め!)」

同じ意味の表現として「goof off」があります。「goof」は元々「へまをする、のらくらする」という意味です。これは私の感覚ですが、「goof」と言うと「slack」よりも少し相手をバカにしてるニュアンスがあるように感じます。もし間違っていたらどなたか訂正してください(笑)

例)「I thought you were just goofing off.(てっきりただサボってるのかと思ってた)」

他には「chill out(リラックスする)」という表現があります。こちらも単に「chill」だけでも通じます。「chill out/chill」は単にリラックスしているという意味なので、サボっている、というニュアンスはありません。

例)「What are you doing?(何してるの?)」→「I'm just chilling out.(まったりしてるだけだよ)」

1つ目の解説は以上になります。最後に、上記に紹介した表現は全てカジュアルなものです。友達に対して使うのは良いですが、ビジネスのようなちゃんとした場では使わない方が無難です!

続いて、「You smiled gently and suggested we take the same university's entrance exam.(あなたは優しく笑って、それなら同じ大学を受けないかと提案してくれた。)」という文章について1点だけ説明します。最後の手紙の本文にあったものです。

「we take the same university's entrance exam」について、これは過去の話をしているので「take」ではなく「took」にすべきだと考える方がいると思います。なぜそうならないのかと言うと、実はこの文には「should」が隠されているのです。

「suggest(提案する)」の他にも「insist(主張する)」「propose(提案する)」「recommend(推薦すいせんする)」などの動詞(命令・提案・要求などを意味するもの)のthat節の中に入る「should」は省略されることがあります(ちなみにthat節の「that」も省略可能です)。

例)「I recommend(that)he(should)go home now.(彼はもう家に帰るべきだと思う)」

単に「I recommend he go home now.」と見ると、あたかも三単現の「s(この場合はes)」が抜けているように思われますが、これは正しい文法なのです。

このように、英語の中には「あれ、これ文法間違ってない?」と思っても、実は助動詞などが省略されているだけで文法的には問題なかった、ということが多々あります。パッと見、文法のおかしい文章に出くわしても「あ、これ間違ってんじゃん」で切り捨てるのではなく、ちゃんと調べてみると案外面白い発見があるかもしれません!


ここまで読んでいただき本当にありがとうございます。今後も最新話ができ次第Twitterにてお知らせしていきますので、もしよければフォローしていただけると嬉しいです!